初めてのアポスティーユ|取得の流れを解説
「アポスティーユって聞いたことはあるけど、結局何をすればいいの?」
韓国の大学に書類を提出する際、多くの人がここでつまずきます。難しそうな響きの手続きですが、実はやることを分解すると、決して複雑ではありません。この記事では、アポスティーユの意味から、実際の取得手順、費用、そして翻訳文の場合の対応まで、初めての方でも迷わないように順を追って解説します。
そもそも「アポスティーユ」って何?
アポスティーユとは、ひとことで言うと、「この書類は、日本の公的機関が正式に発行した本物ですよ」ということを、外国の機関に対して証明するスタンプ(証明書)のことです。
本来、ある国で発行された書類を別の国に提出する場合、提出先の国にある大使館・領事館で「本物である」という確認(領事認証)を受ける必要があります。しかし、日本・韓国を含む「ハーグ条約(アポスティーユ条約)」の加盟国同士であれば、この面倒な領事認証を省略し、日本国内の外務省で証明を受けるだけで、韓国を含む加盟国どこでも通用する、という仕組みになっています。これがアポスティーユです。
留学の場面で言えば、「延世大学に提出する日本の高校の卒業証明書が、ちゃんとした本物ですよ」ということを、外務省のお墨付きで証明してもらう手続き、とイメージしていただくとわかりやすいと思います。
まず確認しよう:あなたの書類は「公文書」?それとも「私文書」?
アポスティーユの手順は、書類の種類によって少し変わります。最初にここを見極めるのが、スムーズに進める一番のコツです。
公文書とは
国や地方公共団体、学校などの公的機関が発行した書類のことです。
- 高校・大学の卒業証明書、成績証明書(国公立・私立問わず、学校が発行するものは公文書扱いになります)
- 戸籍謄本、住民票、納税証明書
- 法務局が発行する登記関連の証明書
私文書とは
個人や民間の立場で作成した書類のことです。
- 自分で作成した委任状、契約書など
- 会社が独自に発行した書類(社印はあっても、公的機関発行ではないもの)
留学書類の多くは「公文書」に該当します。卒業証明書・成績証明書であれば、基本的にはこれから説明する「公文書ルート」で進めれば問題ありません。
アポスティーユ取得までの5ステップ(公文書の場合)
ステップ1:証明が必要な書類を用意する
卒業証明書・成績証明書など、学校から発行してもらった原本を用意します。発行から3か月以内の書類であることが望ましいとされているため、あまり早く取得しすぎないよう注意しましょう。
ステップ2:申請書をダウンロードする
外務省の公式サイトから、アポスティーユ申請書をダウンロードして必要事項を記入します。窓口で申請する場合は、その場で記入することも可能です。
ステップ3:必要書類一式をそろえる
以下の書類を準備します。
- 証明が必要な書類(原本)
- アポスティーユ申請書
- 身分証明書(パスポートまたは運転免許証など)
- 委任状(家族や代理人が代わりに申請する場合のみ必要)
ステップ4:窓口または郵送で申請する
外務省の窓口(東京・大阪の2か所)に直接持ち込むか、郵送で申請します。詳しい窓口情報は後述の「東京・大阪の窓口情報」をご確認ください。
ステップ5:アポスティーユ付きの書類を受け取る
無事に証明が完了すると、書類にアポスティーユ(証明文)が付いた状態で返却されます。これで、延世大学など韓国の大学にそのまま提出できる状態になります。
私文書の場合、追加でもう2ステップ必要
私文書の場合は、外務省にいきなり申請することができません。以下の手順が追加で必要です。
- 公証役場で「認証」を受ける:公証人に、書類の内容や署名が本人のものであることを認証してもらいます
- 法務局で「公証人押印証明」を受ける:公証役場が所属する地方法務局で、その公証人の押印が本物であることの証明を受けます
- その後、外務省でアポスティーユを申請する(公文書と同じステップ4・5)
なお、東京・大阪・神奈川など一部の公証役場では、これらの手続きをまとめて行える「ワンストップサービス」を提供しているところもあります。私文書のアポスティーユが必要な場合は、近くの公証役場にワンストップサービスの対応可否を確認してみると、手間を大きく減らせます。
英訳した場合のアポスティーユはどうなる?
海外の大学に提出する際、日本語の卒業証明書・成績証明書を英語(またはその国の言語)に翻訳した上でアポスティーユを取得したい、というケースは非常に多いです。ここで知っておきたい重要なポイントがあります。
元の証明書自体は「公文書」でも、その「翻訳文」は「私文書」として扱われます。 翻訳は個人(翻訳者)が行う作業のため、たとえ元の書類が学校発行の公文書であっても、翻訳した部分は私文書扱いになる、というルールです。そのため、翻訳文をそのまま外務省に持ち込んでも、直接アポスティーユをつけてもらうことはできません。
翻訳文にアポスティーユを取得する流れ
- 宣言書(Declaration)を用意する
翻訳者本人が、「私は日本語と英語(または韓国語)に堪能であり、添付する翻訳文は原本の記載内容を誠実かつ正確に翻訳したものである」という趣旨の文言を記載し、署名します - 原本・翻訳文・宣言書をひとまとめに綴じる
卒業証明書などの原本、その英訳文、そして宣言書の3点セットを一体として綴じます - 公証役場で認証を受ける
公証人の面前で、翻訳者が宣言書に署名し、公証人が3点セットをまとめて認証します - 法務局で公証人押印証明を受ける
- 外務省でアポスティーユを取得する
つまり、「原本(公文書)+翻訳文+宣言書」の3点セットを、私文書のアポスティーユと同じ流れで手続きする、とイメージすると分かりやすいです。
ワンストップサービスを使えばまとめて対応可能
前述の通り、東京・大阪など一部地域の公証役場では、公証人の認証・法務局の押印証明・外務省のアポスティーユをまとめて取得できる「ワンストップサービス」が提供されています。翻訳文のアポスティーユも、このワンストップサービスの対象となる公証役場であれば、1か所で完結させることが可能です。公証役場は予約が数日〜1週間先になることも珍しくないため、余裕を持って予約することをおすすめします。
誰が翻訳してもいいの?
翻訳者自身が宣言書に署名する形式のため、原則として翻訳者が誰であるかについての厳密な資格要件はありません。ただし、大学によっては「翻訳会社による翻訳」「本人以外による翻訳」を条件としている場合もあるため、延世大学など提出先の募集要項で、翻訳者に関する指定がないか事前に確認しておきましょう。
手数料はいくらかかる?
結論から言うと、アポスティーユの取得は無料です。窓口申請・郵送申請のどちらの方法でも、外務省への手数料は一切かかりません(郵送申請の場合、返信用封筒の切手代・レターパック代などの実費のみ自己負担となります)。
有料の「代行サービス」を利用する場合を除けば、自分で手続きをする分には費用がかからない、というのは覚えておくと安心なポイントです。なお、私文書や翻訳文のケースで公証役場を利用する場合は、公証人手数料が別途かかります(金額は公証役場によって異なるため、事前に確認しましょう)。
東京・大阪の窓口情報
窓口申請をする場合の詳細情報は以下の通りです。
東京(外務本省)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省南庁舎1階 外務省領事局領事サービスセンター証明班 |
| 最寄り駅 | 東京メトロ日比谷線・丸ノ内線「霞ヶ関駅」A4出口、千代田線「霞ヶ関駅」A8出口 |

